任意売却とは
人生には予期せぬことが起こり、住宅ローンの返済が困難になることもあります。マイホームやマンションを売却してローンが完済できれば良いのですが、売却資金でローンが完済できなければ抵当権が抹消されず引渡しができないため通常の売却は不可能です。そんな場合に金融機関など債権者の同意を得た上で、一般市場で不動産を売却することを任意売却といいます。
任意売却も通常の不動産の売買になりますが、通常の売買と比べると債権者である金融機関や税務署等への事前の相談と許可が必要になります。また、競売を回避するべく任意売却には期限がございます。
金融機関や税務署等の考え方もある為、任意売却を扱う場合、債権者との交渉能力や実務経験を積んだ専門スタッフでないとご対応が難しく、不動産会社の役割がとても重要になります。
多くの不動産会社では、任意売却のお手続きの経験があるスタッフが少ないことや、債権者等への調整に非常に手間のかかることなどから、任意売却を初期相談段階で断る会社がございます。ただし、諦めないで早い対応を行うことで、不動産競売を阻止することができる可能性があり、その結果、交渉次第で必要資金の確保や、場合によっては、そのまま住み続けられること、将来の再建にむけて多くのメリットを得られる可能性がございます。
■メリット
- 実勢価格での取引が可能な為、競売よりも売却価格が高くなる可能性が上昇します。
- 残債務の圧縮や、返済方法について金融機関と相談しながら進められます。
- 任意売却では引越費用の確保、場合によっては住み続ける事も可能です。
- 債権者などの各利害関係人との複雑な交渉事を一任できます。
- 売却にかかる各種費用を売却価格でまかなえるため、出費を削減できます。
- 競売に比べて、個人情報プライバシーが守られます。
■デメリット
- 債権者である金融機関の同意がないと売却は実行できません。
- 金融機関に決定権があるため、売却価格を自由に決められません。
- 通常の取引と異なり、競売開始決定等から、販売活動に期限があります。
- 金融機関が閲覧できる個人の信用情報に延滞履歴が残ります。
任意売却の流れ
STEP.01
まずは税金関係、ローン関連の返済状況や、不動産の権利関係(差押え・ 競売開始)等の問題について確認をします。その後ご所有不動産の価格査定を行い、売却価格がローンの残債額を上回るのか、下回るのか想定し、現時点での問題解決について検証を行い、ご希望のご売却金額・タイムスケジュールなど、場合によっては金融機関等へ生活状況表を提出し、毎月の返済額について支払える金額のご相談等、ご所有者様のご希望に沿った、今行える最善の解決方法をご提案します。ご相談時期は早いほど、任意売却の成功確率含めご相談者様にメリットになる選択肢が多くなります。
STEP.02
ご所有者様の最善の解決に向けてのプランが確定し、安心してご売却を進める準備ができましたら、ご所有者様のご希望を第一に、債権者・利害関係者との交渉に入ります。売主様のご不安が無くなるようサポートさせていただきます。
任意売却を進めるにあたり、正式にご売却の依頼(媒介契約のご締結)をいただきます。
当社では媒介契約をご締結いただいても、売却(売買契約)が成立しなかった場合には、販売費用の請求などを行うことはございませんのでご安心くださいませ。媒介契約には、「専属専任媒介契約」「専任媒介契約」「一般媒介契約」の3種類がございます。ご所有者様に合った媒介契約をご提案させていただきます。
STEP.03
ご所有者様のご希望を叶えられるよう、金融機関、税務署、利害関係者と交渉を行い、任意売却の同意が得られれば、いよいよ売却活動が始まります。販売活動は通常の売却とほぼ変わりませんが、任意売却にはタイムリミットがあり期間が短いのが大きな違いです。一定の期間内に売却できなければ競売にかけられてしまうので、準備は早めに進めておいたほうが良いでしょう。時間の余裕を持って任意売却に臨むことが重要になってきます。
STEP.04
販売活動の結果、ご所有者不動産の購入者が見つかりましたら、売買契約のご締結を行います。売買契約の締結は基本的に通常の不動産売却と変わりません。ただ任意売却の場合は抵当権を抹消するための手続きをはじめ、競売の取下げ、借入金の返済や、その他の費用の清算を行うので通常よりも手続きが多くなります。また引渡しをスムーズにするための諸条件のすり合わせ、金融機関との取り決め事項を明確する必要があります。
STEP.05
売買契約のご締結後には、お引越しの準備はもちろん、お引渡し日までに借入金の返済準備(繰り上げ返済〔完済〕のお申し込み)など、関係各所への解約手続き、各種書類の準備を行う必要がございます。
不動産売買に慣れている方でも大変だと感じる手続きになりますが、当社では引越し業者、残置物撤去業者のご紹介から、金融機関・行政関係各所へのお手続き、スケジュール調整含め、きめ細やかにサポートさせていただきますのでご安心ください。
STEP.06
お引渡し日(決済)については、売主様は売買代金の残代金を受け取り、お借入先へのご返済手続きを行い、ご所有不動産の鍵・所有権の移転登記に基づき、所有に係る権利を買主様に引き渡す日になります。
思い入れのある大事なご資産を、気持ちよくお引き渡すことができるよう、最善を尽くさせていただきます。不動産の引渡・決済が終了し新しい生活のスタートです。
まとめ
任意売却は通常の売却よりも関わる人や調整すべきことが多く、時間や手間がかかるため早めに準備することをおすすめします。また交渉力やタフさも必要になってきますので、パートナーとなる不動産会社選びが重要です。
任意売却は手間はかかりますが競売よりもメリットが多いのは明らかで、ベストパートナーとタッグを組み正しい手順に従って進めれば難しいことではありません。